例年に比べて雨の少ない日が続きますね。セミの声がない夏の空気には多少の違和感を覚えます。この天候に農家の方は気をもんでいらっしゃるのではないかと思います。しっかり雨が降って、そしてからっと梅雨が明けてほしいものです。
院長の寺﨑です。4月からは週に一回、長崎大学から手伝いに来てくれていた同級生の栁口先生が研究の都合でしばらくお休みとなり、五十も半ばになった身体にムチ打ちながらがんばって診療をしています(笑)。さて今回は歯周病について少しお話をしてみたいと思います。
歯周病という言葉はなじみのものとなりましたが、その治療方法についてはまだまだ認知度が低いように思います。歯周病の治療には以下の5つがあります。
- 歯ブラシや歯間ブラシを使ったセルフケアによるプラーク(歯垢)の除去
- 歯石の除去・汚染された歯根面の清潔化
- 歯周外科治療
- 生活習慣の改善
- バイオフィルム(バイキンの塊の膜)を定期的に除去するメインテナンス
今日は一つ一つについての解説は割愛しまして、③の歯周外科治療についてお話します。
実は最近、歯周病治療のエンドポイント(治療の最終的な目標)が変わったといわれています。これまでの歯周病治療は、プラークコントロールで歯周病菌のえさをとり除き、歯石をきれいに取り除いて、生活習慣を改善することにより、それ以上歯周病を進行させないこと、そしてメインテナンスによりそれを維持することが目標でした。
歯周外科治療も麻酔をして歯ぐきを開け、通常の歯石取りでは届かない部分の歯石をとり除いたり、細菌に侵され悪くなってしまった歯根の表面を削ったりする方法が主流で「切除療法」と呼ばれていました。しかし最近の歯周外科治療では「再生療法」と呼ばれる方法が行われるようになっています。これは「リグロス」という歯槽骨を再生する薬剤が保険治療で認可されるようになったからです。リグロスを使った治療法では、歯ぐきを開けてきれいにした歯根面と歯槽骨面にリグロスを塗布して新しい歯槽骨をつくっていきます。これにより、今まで行われてきた、これ以上歯槽骨を失わないようにすることから、歯槽骨を再生させることが可能になり、歯周病治療のエンドポイントとなってきました。もちろんリグロスは万能薬ではありませんので患部の状態にも左右されます。また新しい治療法ですので、これから施術法などに改善も行われるかもしれません。
≪リグロス治療のイメージ≫
私は古くは20年前のスェーデンイエテボリ大学研修の頃より歯槽骨再生治療について学んできました。そしてここ数年は歯周病治療の日本の第一人者である水上哲也先生のもとでスタッフと共に研鑽を積んできました。この「歯槽骨再生療法」にご興味のあられる方はお気軽にスタッフにお声がけください。
スタッフ一丸で 皆様のお口の健口を守ります!